バレンタイン(望美編)








鼻歌交じりに、キッチンで楽しそうに料理いや…
チョコレートを作っている望美
将臣が今日はバレンタインだったななんて吹き込んだものだから
作り出してしまったのだ

「作り始めた責任はきっちり兄さんがとってくれよ」
「なんで、俺なんだよ。用意してないなら作ってみたらなんていったのはお前だろ」
「本当に作り始めると思わなかったんだ」
兄弟は喧嘩に発展しそうな勢いで言い争っている
「姫君の手料理がそんなにイヤなのかい」
「お前は知らねえから、そんなこと言ってられるんだよ」
「望美ちゃんの料理って不味いの?」
直球で聞く景時に譲が説明を始める
「正直に言えば」
「あれは人間が食えるかは分からない」
「そんなに味が悪いのなら手伝わなくていいの?」
「あいつは作り始めたらイヤでも一人でやるやつだからな」
一緒に戦ってきた皆なら知っているだろう。望美は最後までやらないと気が済まないタチだと
「ヒノエなら、一人で食べきれるでしょう」
「あんただって、望美の好意を無下にできる男じゃないだろう」
「弁慶もヒノエも言い争っている場合か」
喧嘩を始めそうなどす黒いオーラが充満し始めた2人を九郎が仲裁する
「作り始めちまったもんは仕方ねえ、白龍これで薬買ってきてくれ」
「うん、分かった」
「それなら、私も付いていくわ」
白龍と朔が出ていくのを見送り、八葉は本格的に話し合いを始めた
「敦盛はどうする」
「私のようなものに聞いても参考には…」
「終わったようだ」
リズ先生がキッチンを見ながらつぶやく
望美はあらかた作業は終わったらしく、イスに座っている

そして10分後、朔と白龍が帰ってきて、望美の作業も終わったらしい
「できたの、か」
「あ、将臣くん。今回は結構うまくいったんだよ」
「へーこれが、将臣達が言っていた姫君の料理ね」
「み、見た目は普通だな」
「見た目よりも問題は味ですよ九郎」
八葉は思ったことを口にする……
「食べてみて」
望美に促され、全員は望美の手づくりチョコクッキーを手にし
心の中でせーのと言って全員で食べた
「おいしいわね…」
「でしょ、結構頑張ったんだよ」
それは、おいしかったそうその時はそう思っていた

しかし…

深夜12時を回ったころだろう
望美を始めみんな寝静まった時。静かな夜を終わり
それは来たのだった……………


どうなったかはあなたのご想像次第…